⚠️ これは要確認のドラフト。 調査日は 2026 年 6 月。Unitree B2-W(公式の両版で確認済み)を除き、多くの規格はメーカー公称、またはメディア/代理店の転載で、一つずつ注記した;導入選定の前にメーカーへ積載状態での段差高さと勾配を要確認のこと。本稿は ロボット犬 搬送選定 と互いに姉妹編——あちらは「どのロボット犬を選ぶか」、本稿は「ロボット犬以外に何があるか、いつロボット犬より割に合うか」を扱う。
🌐 この稿が答えること
大塚商会は現在 AGV/AMR で工場内の貨物を搬送しており、痛点は階段/坂を昇れないこと。ロボット犬はこの盲点を補えるが、歩行積載は ~40kg しかない(姉妹編参照)。社長の問いは率直だ:階段/坂を昇れて荷も積める、ロボット犬よりも使い勝手のよいロボットは他にないのか?
本稿は候補を五類に分け、類ごとに実在製品 + 規格 + 出典を示し、最後に**「いつそれらがロボット犬に勝つか、いつロボット犬がなお割に合う選択か」**へ落とし込む。
🏆 核心の結論先行
- 真に「自律 + 実階段を昇る + 積載」の成熟製品はほぼ存在しない。 今日買えて、かつ実際に荷を担いで階段を昇れるものは、本質的に全て**「車輪付きのロボット犬」(脚輪型四足)**——代表は Unitree B2-W、Pudu D5。これらは別の道ではなく、ロボット犬の上位機種だ。
- 積載でロボット犬を圧倒する(200〜420kg)のは全てクローラー / 電動階段昇降車——だがどれも人の操作が要る、「省力」であって「省人」ではない。
- 人形ロボットは現状、産線上で荷を担いで階段を昇れるものが一機もない、全て平地作業;階段昇降は実験室/マーケのデモにすぎない。
- 固定のフロア間ルートで実階段があるなら、最も合理的な答えはしばしばどのロボットでもなく、貨物用エレベータ / VRC 垂直搬送機、または「AMR 平層 + エレベータ/貨物用エレベータ連動」であり、より安く・より信頼でき・運力が一桁二桁高い。
🛞 類目一:脚輪型プラットフォーム——唯一買える「階段昇降 + 積載 + 自律」のカテゴリ
この類はロボット犬に車輪を加えたもので、「ロボット犬より適するか」という問いに対する唯一現実的なハードウェアの答えでもある。
| 製品 | メーカー | 連続積載 | 階段 / 坂 | 成熟度 | 価格 / 入手性 |
|---|---|---|---|---|---|
| Unitree B2-W | Unitree | >40kg(歩行)1 | 連続段差 20〜25cm・正方向の昇降 40cm・坂 >45°・車輪速 15km/h1 | 量産・販売中 | 公式は見積誘導/海外で約 $100k |
| Pudu D5 | Pudu(普渡) | 30kg | 階段 1.5m/s・段差 ≤25cm・坂 30°・平地 5m/s2 | 初期量産(中国) | 非公開 |
| DEEP Lynx M20/M20S | DEEP Robotics(云深処) | 連続 15kg(ピーク 50kg) | 連続昇降 25cm・単段越え 80cm・坂 45°・IP66/673 | 量産 | 代理店、価格非公開 |
| LimX W1 | LimX Dynamics(逐際動力) | 公称 50kg | 階段/坂可(段差高さ非公開)4 | 発表済み・初期寄り | 公開価格なし |
| RIVR One(旧 Swiss-Mile) | RIVR | >30kg | 実階段/縁石を昇る(段差高さ非公開)5 | パイロット級、2026.3 に Amazon が買収 | 外部販売なし |
| ETH LEVA | チューリッヒ工科大学 | 85kg(最大、貨物箱を自ら積み降ろし可) | 車輪ロックで歩行・階段昇降6 | 研究プロトタイプ、購入不可 | なし |
要点:B2-W は現状唯一「今日発注でき、かつ実際に荷を担いで階段を昇る」第一候補——ロボット犬と同じ 40kg 級だが、平地 15km/h の巡航 + より長い航続を加える。Pudu D5 は国産同類で、段差高さに明確な規格(25cm)があり、本質は「階段を昇れるロボット犬」だ。DEEP Lynx は三防が最強だが連続積載は 15kg のみで、かえってロボット犬より担げず、位置づけは点検/軽積載。LEVA は 85kg 担げるが研究プロトタイプにすぎず、買えない。 B2-W 以外の規格は多くが代理店/メディアの転載で、発注前にメーカーへ「積載状態での段差高さ」を要確認。
🔧 類目二:クローラー式 / 電動階段昇降車——積載は圧倒的、ただし人の操作が要る
この類は自律ロボットではなく、「電動アシストの階段昇降台車」だ。長所は積載が大きく、成熟し、安いこと;短所は毎回一人が押す/遠隔操作する必要があること。
| 製品 | メーカー | 階段昇降積載 | 段差高 | 速度 | 操作 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| XSTO CT420SC | XSTO | 420kg | <210mm | 満載 10〜13 段/分 | 遠隔/ハンドル7 | 約 $6,799〜7,349 |
| Zonzini Domino | Zonzini | 400kg | 未記載 | 0.15m/s@400kg | 比例ジョイスティック人操作8 | 要見積 |
| SANO LiftKar HD Pro | SANO | 360kg | 210mm | 6〜15 段/分 | 人操作9 | €3,890〜4,910 |
| Viewpro TK1000(クローラー台車) | Viewpro | 100kg | 未記載(空荷越障 40°) | — | 遠隔/自社統合可10 | 要見積 |
要点:積載 200〜420kg でロボット犬を全面的に圧倒するが、毎回人が要る——省力であって省人ではない。真に自律できるのは**クローラーの「裸台車」(TK1000 類)**だけだが、これを搬送ロボットに自前で統合する工数は、ロボット犬を直接買うより大きい。2026.6 時点で、市販の「高積載 + 完全自律 + クローラー階段昇降搬送ロボット」は存在しない。 適用:大積載・偶発的・人操作を許容できる階段昇降搬送。
🤖 類目三:人形ロボット——積載が小さく、かつ産線上で荷を担いで階段を昇れるものは一機もない
| ロボット | 積載 | 産線上で荷を担いで階段昇降? | 成熟度 |
|---|---|---|---|
| Agility Digit | 16kg | ❌ 産線は純平地(GXO で 10 万箱以上を搬送済み)11 | 最も広く導入 |
| Figure 03 | 20kg | ❌ 本社デモのみ | 初期量産、規模顧客なし |
| Apptronik Apollo | 25kg | ❌ デモ実績なし、むしろ車輪式ベースを主推13 | パイロット(メルセデス/GXO) |
| BD Atlas(電動) | ピーク 50kg / 持続 30kg | ❌ ロードマップ項目、積載産線デモは未確認12 | 初期パイロット |
| UBTECH Walker S2 | 15kg | ⚠️ マーケ公称、未検証14 | 量産、複数自動車メーカーでパイロット |
| Unitree G1 / H1 | ~2kg / ~10kg | ❌ 空荷デモのみ | 研究開発/教育プラットフォーム |
必ず方案へ正直に書くこと:2026 年半ば、「荷を担いで階段を昇る搬送」の量産方案である人形ロボットは一機も存在しない。 既に導入済みの人形物流プロジェクト(Digit/GXO、Figure/BMW、Apollo/メルセデス)は全て平地で箱を搬送している。将来これを達成する可能性が最も高いのは Atlas(持続 30kg + 最強の運動能力)だが、なお初期パイロットだ。規格は多くがメーカー公称/二次転載を含み、一つずつ注記した。
📦 類目四:階段昇降 / 段差越え AMR——多くは「エレベータを呼んで」階段を回避
- 実階段を昇れる自律 AMR は、本質的に上記の脚輪型四足(RIVR、Pudu D5)だ。
- スター輪/クラスター輪の階段昇降積載 AMR = 学術/特許で、成熟製品なし(各段の衝撃、摩耗、輪径が段差高さより大きい必要 → 嵩張る)。
- 縁石配送ロボット(Starship 等)は縁石や単段しか昇れず、階段は昇れない(積載 約 10kg)。
- 成熟した屋内 AMR は全て「エレベータを使い、階段を昇らない」、多層工場の誠実な代替として:
🏗️ 類目五:非ロボット / ハイブリッド方案——固定フロア間ルートの真の最適解
| 方案 | 運力 | コスト | 成熟度 | いつ階段昇降ロボットに勝つか |
|---|---|---|---|---|
| VRC 垂直搬送機 / 貨物用エレベータ | 最大 45,000kg+、揚程 60m | $10k→$100k+16 | 極めて成熟 | 固定ルート、積載が一人で運べる量を超える——既定の第一候補 |
| AGV/AMR + エレベータ / VRC 連動 | 貨物用エレベータの運力(トン級) | プロジェクト個別 | やや成熟、統合は重い17 | フロア間を全自動にしたく、エレベータがある/追加できる |
| 電動階段昇降車(人操作) | 110〜360kg | 数千〜$7k | 現物成熟 | 偶発的・臨時の階段昇降、現場に作業者あり |
| 斜行ベルト / スパイラルコンベヤ | 連続流 | 中 | 極めて成熟 | 箱/パレットを連続流で上階へ |
| 単層化 / AMR 用スロープ整備 | AMR 積載;坂 ≤5%(重積載はさらに低い) | 土建のみ | 成熟 | フロア間不要、または半階/中二階の小段差 |
重要な誠実結論:固定フロア間の実階段ルートでは、貨物用エレベータ/VRC やコンベヤがほぼ常に、あらゆる脚式/クローラーロボットより安く・信頼でき・運力が一桁二桁高い。階段昇降ロボット/ロボット犬が意味を持つのは「偶発的・低積載・固定設備を設置できない」狭い場面だけ——それでも、作業者一人 + 数千ドルの電動階段昇降車のほうが通常なお割に合う。これを大塚商会への提案時に能動的に語ると、かえって専門性が際立ち、信頼を築ける。
📌 平面の高スループットには別の線がある(本稿では展開しない):同一平層内の高密度/大量搬送には、子母車(母子台車:潜伏リフトの母車が複数の子台車を牽引) が単台 AGV/AMR より高スループットの成熟方案だ——ただしこれは平地のみで階段は昇れず、「AGV/AMR の平面効率を補う」ものであって「階段の盲点を補う」ものではない。この線は別途の調査で個別に進めており、本稿は階段/坂の断点に焦点を当てるため、ここでは展開しない。
📊 総合比較表
| 方案 | 種別 | 階段昇降積載 | 階段昇降能力 | 成熟度 | 概算コスト | 適合判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Unitree B2-W | 脚輪型 | >40kg | 連続 20〜25cm・坂 >45° | 量産 | ~$100k | 自律階段昇降の第一候補、普通のロボット犬に勝つ |
| Pudu D5 | 脚輪型 | 30kg | 25cm・1.5m/s | 初期量産 | 要見積 | 国産同級、階段を昇れるロボット犬 |
| DEEP Lynx M20S | 脚輪型 | 連続 15kg | 25cm・坂 45°・IP67 | 量産 | 要見積 | 軽積載 + 三防の場面のみ |
| XSTO CT420SC | クローラー車 | 420kg | <210mm | 量産だが人操作 | ~$7k | 大積載・偶発的・人操作を許容できる |
| SANO HD Pro | 電動車 | 360kg | 210mm | 現物 | ~€4k | 最も安い大積載、要人押し |
| Agility Digit | 人形 | 16kg | ❌(平地) | 最も広く導入 | RaaS | 階段昇降には不適 |
| BD Atlas | 人形 | 持続 30kg | ロードマップ、未検証 | 初期パイロット | 非公開 | 将来の潜在力、現状は不可 |
| Relay2 | AMR+エレベータ | 45kg | 昇らず、エレベータを呼ぶ | 量産 | — | エレベータがある多層工場の誠実解 |
| VRC / 貨物用エレベータ | 固定設備 | 45,000kg+ | 昇らず、垂直昇降 | 極めて成熟 | $10k〜100k+ | 固定ルートの既定最適 |
🎯 順位づけの提案:いつロボット犬に勝ち、いつロボット犬がなお勝つか
シナリオ別に当てはめる:
- 固定フロア間ルート、実階段あり、積載がやや大きい → 貨物用エレベータ/VRC または AGV+エレベータ連動(あらゆるロボットに完勝)。
- フロア間を全自動、建物にエレベータがある/追加できる → AMR + エレベータ連動(Relay2 等)、階段昇降型は買わない。
- 実階段を必ず走らねばならず、自律が要り、積載 ≤40kg → 脚輪型(B2-W 第一候補 / Pudu D5)、普通のロボット犬に明確に勝つ。
- 大積載(100〜420kg)、偶発的、人操作を許容できる → クローラー/電動階段昇降車(XSTO、SANO)、最もコスパが高い。
- 連続した箱流を上階へ → スパイラル/斜行ベルトコンベヤ。
- 小段差/半階 → スロープを整備して普通の AMR を昇らせる(坂の上限は約 5%、重積載はさらに低い点に注意)。
ロボット犬がなお優位な場面: 不整地/非構造化の地面、狭い通路、「一機多用」が要る(点検 + 搬送 + 段差昇降の混合)、および予算が限られ、積載が小さくルートが多変——この場合は脚輪型/クローラー/人形/貨物用エレベータのいずれより、一頭の機動的なロボット犬のほうが割に合う。
社長への一言:大塚商会への提案ではロボット犬だけに賭けないこと。まずルートが「固定フロア間」か「多変」か、積載がどれほどかを聞く——固定大積載なら貨物用エレベータ/VRC を推し(専門性が出て、過剰売りにならない)、多変な中小積載ならロボット犬/脚輪型を載せる(機動の強みを活かす)。「一台の犬を売るのではなく、正しい方案を一緒に選ぶ」を差別化に仕立てるほうが、ロボット犬を押し込むより提携を取りやすい。
⚠️ 要確認 / 補足のお願い
- 実ルート & 貨物重量:大塚商会のフロア間ルートは「固定の数本」か「多変」か? 貨物単品はどれほど重いか? この二点が上表のどの行を選ぶかを直接決める。
- 規格の確認:B2-W 以外、Pudu D5 / DEEP Lynx / クローラー車 / 人形の規格は多くがメーカー公称やメディア転載で、導入前にメーカーへ datasheet を求め、積載状態での段差高さと勾配を要確認。
- 貨物用エレベータ/VRC の可行性:顧客の建屋に貨物用エレベータ/VRC を追加できるか? これがしばしば最適解で、先に土建/コストを評価する価値がある。
- 型番追加の要否:国産クローラー搬送ロボット、日本国内の階段昇降車ブランド、または本表を「積載 × ルート種別」でフィルタできる比較表にするなどが要れば、整理方針を教えてください。